近江の麻・近江ちぢみOmi no Asa / Omi chijimi

日本最大の湖“琵琶湖”は滋賀県の面積の1/6を占めており、
その湖の周囲を豊かな山々(比良、比叡、伊吹、鈴鹿)がめぐる恵まれた土地です。

麻の製織・加工に欠かせない高い湿度と美しい水に恵まれ、近江の地は麻織物の産地として大きく発展してきました。

近江の麻

室町時代から続く
麻織物の名産地

滋賀県の湖東地域は、室町時代より麻織物を産する地域として知られています。特に江戸時代には、越後縮や奈良晒とならび称されるほどの良質の麻織物「高宮布」(現在の「近江上布」に受け継がれる)の産地としてその地位を築きました。さらに、彦根藩は高宮布を保護し、将軍家への献上品としていました。

現在は、伝統技法の良さを守りながらも、新しい晒(漂白)、染色、仕上げ技術を取り入れ、さらに質の高いデザイン性や感性を備え、その時代を代表する上質な麻織物を発信し続けています。

近江ちぢみ

日本で唯一の
「シボ」加工品

近江ちぢみは、近江商人の活躍もあり手広く生産がおこなわれていた為、近江の国の糸作りに加え、能登や上州(現在の石川県・群馬県)などの他国からも原料を仕入れていました。石川県鹿島郡誌の記述によると、元禄のころ(1688~1704年)に近江の国が、江州縮布の原料を綛(麻糸)として仕入れをしていたとあります。
当時の縮布は縞や絣生地に洗い上げの仕上げ工程を行なったものと推測されています。

明治の頃より改良を重ねた近江ちぢみは、織り上げた生地を日本で唯一の仕上げ技法にて揉みこむことにより、独自の凹凸(おうとつ)形状をもつ「シボ」を表現する仕上げ方法へと変革をとげました。
「シボ」は衣類と肌との接触面を少なくすることによって風通しを良くし、着心地に爽やかな清涼感を与えます。湿度の高い日本の夏を快適に過ごすための知恵をお届けします。

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